-世代交代-
※この記事には、妄想しか詰まっていません。
おおよそ世代交代に関する悲しみや考察などをぶちまけるだけの空間ですので、読み飛ばしていただいても問題はないと思われます。
ここから先は、世代交代の考察についてご興味のある方のみ、自己責任で閲覧お願い致します。
「1019年、1月。
当一族の初代当主様が、永眠されました。
そして、二代目当主に神無木最代子が就任し、「神無木龍太朗」を襲名しました。
これからは第二次龍太郎内閣として、京の都を統括していきたいと思いますので、どうか暖かいご支援をよろしくお願い致します。」
……もう、それだけでいいじゃないですか、世代交代なんて。それでいいって、思うじゃないですか。
なんですけど、実はたったそれだけで終わりにできない問題(というほどのものではない)を抱えているんです、この一族は。
まだこの家に来ていない初代のお子のことについて、です。
いや、龍太朗がなにも言わないわけがないじゃないですか。
だって自分の子供に会えず死んでいかなければならないのですよ…?そんなの、私だったら辛くて死んでしまいます。
龍太朗は生真面目な方ですから、亡くなる直前などに、絶対最代子さまにいろいろ話をすると思うんです。
それに対して最代子さまは「うんうん」って話を聞いてやるんだと思うんです。
そんな軽いノリだとは思わないですが。割とのらりくらり生きていそうな最代子さまも、この時ばかりは「本当に死んじまうのかい…?」って不安げな顔をしながらも、珍しく真剣に話を聞いていたりしていたら、泣いてしまいますよね。
初めて見る長女の真摯な姿に、龍太朗は何を思うのでしょうか。
「やはり彼女こそが俺の跡を継ぐべき当主なのだ」と、確信したのでしょうか。
そうして、安心したのでしょうか。
彼のその力強く時に怖くもあるその面持ちが、その瞬間だけ、どこか寂しげに安堵したような、そんな顔をしているなら、わたしはそれだけで救われたような気持ちになることができるんです。
最代子:……少しは楽になったかい
龍太朗:……いまいち、やはり。……と、いった感じだな。
最代子:へぇ……
龍太朗:……御前は、本当に大丈夫なのか?
最代子:ん?なにが。
龍太朗:次期当主の任、御前に任せてしまって大丈夫か。
最代子:何を今更。アンタが昔っから口酸っぱく言ってたのに……仮に俺が死んだら御前がこの家を守るんだ〜だとか。
龍太朗:……まさか本当に、現実なるとは思ってもいなかったのだがな。
最代子:……あたしも、思っちゃいなかったよ。考えたくなかったからね。……なんなら、あたしの方が先に死ぬとすら思ってた。でも、やっぱり駄目なんだねぇ、子は親を置いちゃいけないんだ。
龍太朗:親は子を置いていく、……のにな。…、最代子。
最代子:……うん?
龍太朗:俺は次来る子供の顔を、見ることができないかもしれない。最後の子に見せる姿は、自らの死に様であろう。
最代子:……そう、かもしれないね。
龍太朗:もし、もしそうなったら、……その時は、御前たちで子の名前をつけて欲しい。
最代子:……うん、
龍太朗:名前に関する一切は御前達に委ねる。どうか、気負わずに好きなように名前をつけてほしい。
最代子:……はい、
龍太朗:……一番辛いことを頼んでしまって、すまない。これが、今の俺に出来る精一杯だ。
最代子:……いいよ、別に。あとはあたしに任せて、最後くらいゆっくりしなさいな。